ウェールズから近道の為再度イングランドに入ったアシェラッド達は、雪のせいで足止めをくらい、近くにあった小村を修道士のヴィリバルドに邪魔されながらも、襲い奪い取り冬篭りに入りました。
今回から第5巻となります。それでは読み進めていきましょう。
第29話 父と子
デンマーク軍ゲインズバラ本営にてフローキはスヴェン王にクヌートが消息を絶った事を報告に来た。スヴェン王はそれを聞いても捜索に向かうには冬の終わりを待ってからでないと無理だといい、そしてクヌートの兄ハラルドと比較して落胆している後ろ姿をフローキは笑みを浮かべながら見ていた。
イングランドのマーシア伯領グロースターではトルケル軍が駐留して冬を越していた。
トルケルは冬が来たことにより戦争が終わる事を嘆いて新たな火種を考えていた。そこに村がデーン人に襲われて生き残った者が発見され、トルケルはそれがトルフィン達だと推理し進軍の用意を始める。
クヌートは襲い埋めた村人達を祈りで許しを請うていた。
共に祈っていた修道士のヴィリバルドが急に祈りの対象であり父と呼ぶキリストの愛を疑い始めていることを告白する。それを聞いたクヌートは怒り子を愛さぬ父はいないと言い去っていく…
父と子の関係というものは色々有るもので、今回クヌートの言う父親はキリストの事ではなくだけではなくスヴェンのことも言っていたのでしょう。
二人の関係はあまり良いものではないのでしょうが、クヌートは今でも自分のことを思っていてくれていると信じているのか信じたいのか。
一方トルフィンも、父親のトールズの事を今でも忘れる事ができずアシェラッドに復讐をしようと考えていますが以前、夢の中でトールズが復讐をしないように言って聞かせるシーンがありましたがこれは、トルフィン自身が深い部分で復讐を迷っていると言う事なのでしょうか。
それでは今回はこの辺りで。